日別アーカイブ: 2月 16, 2014

梅屋庄吉の生涯がドラマ化~孫文と辛亥革命~

この2月26日、テレビ東京系で「たった一度の約束~時代に封印された日本人」というスペシャルドラマが放送される。原作は、小坂文乃氏の「革命をプロデュースした日本人 評伝 梅屋庄吉」。主人公は梅屋庄吉、孫文に資金援助を続け、辛亥革命を陰から支えた実業家だ。孫文に共鳴し、革命に身を投じた日本人も少なくない。中国革命における日本人の最初の犠牲として知られる山田良政もその一人。そうした尊い犠牲の上になった革命だが、梅屋庄吉が投じた莫大な資金がなかったら、果たしてどうなっっていたことか。それだけに、中国では孫文とともに語られることが多い梅屋庄吉だが、近年の日本ではどちらかというと忘れられた存在だったのではないだろうか。これを機に、広く深く人々の記憶に残って欲しい人物である。

さて、このドラマを前に、我が家の孫文・辛亥革命関係のDVD・ble-rayを引っ張り出してみた。

まずは、「競雄女侠 秋瑾」。

女性解放運動家でもあった秋瑾は、1907年に武装蜂起に失敗し逮捕され、31歳の若さで処刑された。この作品は、男優人を見ても分かるように動作片(アクション映画)。
彼女は死後、辛亥革命の精神的なシンボルとなっていく。
そういうこともあり、彼女の姿は、成龍(ジャッキー・チェン)の「辛亥革命(1911)」の冒頭でも描かれている。

この映画で、成龍は黄興を演じている。孫文を演じたのは台湾の名優・趙文瑄(ウィンストン・チャオ)。趙文瑄は中華圏では《孫文俳優》として知られている。彼が同じく孫文を演じたのが、「宋家皇朝(宋家の三姉妹)」。

それに。孫文のペナン逃亡時代を描いた「夜・明(孫文―100年先を見た男―)」。

このほか、テレビドラマ「孫中山」でも孫文を演じている。

この趙文瑄と並ぶ《孫文俳優》が大陸の馬少驊。大作ドラマ「走向共和」に主演している。全60話。DVD18枚にもなる。

この後半ぐらいからに相当するの大作「建党偉業」。

しかし、これは主人公は毛沢東。
馬少驊は「平民大総統」「風雨十二年」などでも孫文を演じており、「もっとも孫文に似た俳優」と言われている。

辛亥革命・孫文とその周辺を描いた映画というと、アクション巨編もある。「十月囲城(孫文の義士団)」だ。

この映画、ドラマ部門の中心が王学圻なら、アクション部門の主役は甄子丹(ドニー・イェン)だろう。その甄子丹の出世作にも実は孫文が登場している。「黄飛鴻之二:男兒當自強(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱)」だ。

写真はブルーレイ・ボックス。この映画で孫文を演じたのは大陸の俳優・張鉄林。《乾隆帝俳優》として知られている。

冒頭に紹介したスペシャル・ドラマで孫文を演じているのは奥田達士さん。HPの写真を見る限り、なかなか雰囲気が出ている。
しかし、個人的には晩年限定だが、日本人なら吉村作治先生が最も孫文に似ていると思う。

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