日別アーカイブ: 10月 16, 2013

【ニュースと落語】刺されると死ぬ恐れもある猛毒の貝が徳島沖で発見!

タガヤサンミナシガイ(出典:wikipedia)

今回、徳島県海部郡牟岐町沖で見つかったのは、イモガイ科の「タガヤサンミナシガイ」。イモガイ科の貝はいずれも毒を持っており、最も猛毒の「アンボイナガイ」では、毒の半数致死量は0.012mg/kgで、インドコブラ(0.45mg/kg)の約37倍、世界最強の毒ヘビ・インランドタイパン(0.025mg/kg)の約2倍です。「タガヤサンミナシガイ」もそこまでではありませんが、猛毒を持っています。
先日は、高知県東洋町沖で「アンボイナガイ」が見つかっていますが、日本にはイモガイの仲間は100種以上が主に紀伊半島以南に生息しているそうなので、種類全体では、わりと普通にいるようです。

アンボイナガイ(出典:wikipedia)

イモガイの仲間は、里芋に似た形の非常に美しい模様の貝を持っています。そのために捕ろうとしたダイバーが刺されて死亡する事故もあるようなのですが、このどう区切って読んでいいのか分かりにくい「タガヤサンミナシガイ」も美しい貝です。漢字で書くと「鉄刀木身無貝」ですので、「タガヤサン・ミナシ・ガイ」となります。
鉄刀木は、マメ科の高木で、材は黒色で、柾目にすると非常に美しい模様が現れます。非常に堅くて重いのが特徴です。鉄刀木という字も、鉄の刀のように重くて堅いというところからきています。家具やステッキなどの材料として使われています。実は落語の中にも登場しています。

「わたい、松屋町の加賀屋佐吉方から参じましたんやが、先度、仲買の弥一が取り次ぎました道具七品のうち、祐乗・光乗・宗乗三作の三所物、ならびに備前長船の則光、横谷宗珉四分一拵え小柄付きの脇差。あら、柄前が鉄刀木やとの仰せにございましたが、埋もれ木やそぉにございまして木が違ぉておりますので、この旨ちょっとお断りを申しあげます。ならびに、黄檗山金明竹、寸胴切りの花活け、のんこの茶碗。古池や蛙飛び込む水の音、と申します。これは風羅坊正筆の掛け物でございまして。沢庵禅師の一行物には隠元・木庵・即非、張り交ぜの小屏風。こら、うちの旦那の檀那寺が兵庫にございましてな、この兵庫の坊主のえらい好みまする屏風じゃによって、表具へやって兵庫の坊主の屏風にいたしました。と、かよぉお伝えを願います。」

と、「金明竹」に、刀の柄の材料として出ています。この猛烈な早口の言い立てですが、嘘やでたらめはまったくありません。「落語は丁稚の耳学問」とはよういうたもんです。

金明竹
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